オススメの本を紹介します。第一弾です。
今回はここ最近で読んだものから少し紹介します。旅の共に、通勤に、いつもの読書にご参考ください。
『クララのお日さま』原題 Krala and the sun: カズオ・イシグロ 著
バラク・オバマ前大統領オススメのサマー読書やビル・ゲイツが年末にオススメする読書にも挙がったイシグロの最新作。ノーベル賞を受賞後に発表した初めての作品。
ニューヨークタイムズやイギリスのガーディアン紙でも絶賛の作品となります。彼の『日の名残り』(1989)も物凄い評価を受けました。こちらはイギリスの邸宅を舞台にしたとても美しい作品。僕も熱烈に大好きな一作です。
さて、「クララのお日さま」は近未来が舞台になります。AIが高度に発展した世界と言うとちょっとイメージがつくかもしれません。クララは人工親友という設定で登場します。人が寂しくならないように尽くすロボットという事です。
ネタバレになるので、詳しくは書きませんが、読書後の余韻を得たいという点で、大きな評判になっているのも頷ける作品。
※ 英語も読みやすいため、英語学習をしている方には原文もオススメします。
『草原の椅子』宮本輝 著
僕は宮本輝の作品は沢山読んでいますが、この作品も素晴らしかったです。
50代の男の友情、虐待を受けて育った子供、人生の色々を経験してきたであろう美しい女性。このメインの登場人物達は、それぞれが人生の辛酸を経験しています。その彼らが現実を生き抜くドラマであり、未来への希望に生きるドラマでもあります。
彼らは、最後の桃源郷たるフンザを目指して旅に出ますが、クライマックスもドラマといい、フンザの美しい描写といいとてもいいです。
宮本輝の作品は、どれもそうですが、とにかく登場人物の人物表現がとても素晴らしい。その彼らが織りなす物語もそれは面白いです。作中には人生における苦労が沢山出てきますが、どの人物もまた必死に生きていて、それが美しい。
読みやすいですし、とても心温まる作品。オススメします。
※「草原の椅子」は映画化もされたので、そちらもぜひ。役者がとても魅力的ですよ。
『極北に駆ける』植村直己 著
植村直己は、伝説的な探検家です。世界初の世界5大陸最高峰登頂者として、今でも語り継がれる人物です。日本人も凄い人がいるんですよね。1984年にマッキンリー山で行方不明になってから、今でも行方不明。彼の著作に感化された人は多いはずです。
僕は植村さんの著作は何冊か読んでます。植村さんといえば登山なので、彼のエベレスト関係の本も夢中で読んだことがあります。
今年久しぶりに読んだのは、植村さんの北極圏での冒険。彼は単身南極点到達を目標にしていたため、その練習も兼ねて北極へ旅立ちます。まあ、彼のアラスカでの生活や、犬ぞりでの走破など、めちゃくちゃですね。物凄いです。人間、何かを成し遂げるというのは、このぐらいの情熱が必要なのかもしれません。
彼の著作を読んだら、絶対他も読みたくなるはず。『青春を山に賭けて』も無茶苦茶面白いです。
『世界のすごい巨像 巨仏・巨神・巨人。一度は訪れたい愛すべき巨大造形を解説』 :地球の歩き方
コロナ禍にあって、地球の歩き方も色々と挑戦している感じですよね。通常の地球の歩き方は、海外旅行には必須ですが、今出ている「旅の図鑑シリーズ」はどれも読み物としても面白いです。
で、今回紹介するのは、巨像編。これは面白かった!実際見てもらうとわかりますが、世界にはこんなに巨像があったのかとびっくりします。
僕はニューヨークの自由の女神や中国の石仏などが思い浮かびますが、実はたくさん巨大な像があります。これはコロナ禍が終わったら、見て回りたいと思うに違いないです。楽しいですよ!
『古くて素敵なクラシック・レコードたち』: 村上春樹 著
村上春樹の作品は、全て読んでいますが、今回のものは小説とは違い、クラシック音楽がテーマです。よって、クラシック音楽が好きな人は、楽しめると思います。
興味深かったのは、巨匠と呼ばれるフルトヴェングラーやカラヤンといった音楽家のコレクションが少ないと書いている点。世の中の評価も大事ですが、自分の耳や好みで楽しむ聴き方に、僕も共感しました。
村上春樹とクラシック音楽といえば小澤征爾さんとの対談が思い起こされます。何年も前に読んだんですが、村上さんの音楽への造詣の深さにびっくりしました。対談形式は読みやすいため、スラスラ読めます。まだの方にはオススメします。
『モンテクリスト伯』:アレクサンドル・デュマ 著
僕は年に一回は古典を読もうと思っています。最近読んだのは、モンテクリスト伯。デュマの傑作であり、世界文学に名作に数えられる長編作品です。これまでデュマは、「三銃士」は読んだことがありましたが、モンテクリスト伯は未読でした。
とにかくめちゃくちゃ面白く、示唆に富みます。
有名なエドモン・ダンテスの投獄と復讐劇。冒頭、幸福の頂点であったダンテスは、嫉妬から投獄されます。獄舎でのファリア神父との出会いから、脱獄、財宝を手に入れ、恩人への恩返しをしたのち、パリの社交界へ登場します。
未読の方は、まず一巻を読んでみてください。読みやすいですし、物語に引き込まれるでしょう。
※↓オススメのマッサージガンです。読書で凝った肩をほぐしましょう!
『陰翳礼讃』:谷崎潤一郎 著 大川裕弘 写真
美術や文芸が好きな方や専門の方にはお馴染みの一冊である谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」です。谷崎の視点は、日本人の美意識を明確に論じて提示しています。西洋と日本の美意識の違いが、とてもよくわかりますし、何しろ文章が美しいですね。
この本は有名なので、ご存知の方は多いと思いますが、ここで紹介したいのは、大川裕弘氏の写真がついた一冊。これがとてもいいです。陰影の美しさをとてもよく表現している綺麗な写真。日本人ならずとも美しいと感じる写真の一枚一枚です。オススメですよ!
『見果てぬ花』:浅田次郎
旅の紀行文が好きで、たまに選びます。浅田次郎のこの本は、JALの機内誌に連載していたエッセイを集めたもので、とにかく面白いです。旅好きには特にオススメします。
浅田次郎の旅行エッセイは、「つばさよつばさ」という一冊もオススメ。彼の文章はとてもユーモラスなので、小説を慣れ親しんだ方には、違う魅力も見出せるはずです。
以上数冊紹介しました。小説に限らずいろんな本を読んでいますが、どれも素晴らしかったです。休日にゆっくり読書なんていかがでしょう。
Writing by Hasegawa, Koichi
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