日本全国制覇の旅、今回は山梨である。
山梨と聞くと、まず思い浮かぶのは、山々に囲まれた大きな風景だ。
富士山、南アルプス、八ヶ岳、そして甲府盆地へと広がる光。車窓から見える山の稜線や、果樹園のあいだを抜けていく道には、東京とは違うゆったりとした時間が流れている。
そして山梨といえば、やはり果物である。
桃、ぶどう、マスカット。季節になると、道沿いには果樹園の看板が並び、土地そのものが甘く実っているように感じられる。
その豊かなぶどうの土地から生まれるもののひとつが、甲州ワインである。
今回は、山梨県勝沼にある勝沼ぶどうの丘を訪ねながら、ぶどう畑の風景と甲州ワインの楽しさを紹介したい。
山梨は、ぶどうの土地である
山梨を歩いていると、ぶどうがこの土地に深く根づいていることがよくわかる。
道の両側にぶどう畑が広がり、季節によっては、棚の下にたわわに実る房が見える。山に囲まれた地形、昼夜の寒暖差、よく届く日射。そうした自然条件が、ぶどうの栽培に向いているのだろう。
食べるぶどうとしての魅力も大きい。
山梨で食べるマスカットや巨峰は、本当においしい。新鮮な果物をその土地で味わうと、果物が単なる食べ物ではなく、その土地の光や空気を含んだものなのだと感じる。
一方で、山梨のぶどうはワインにもなる。
甲州種をはじめとするぶどうからつくられるワインは、今では日本を代表するワインとして広く知られるようになった。特に辛口の白ワインは、和食にも合わせやすく、軽やかで上品な味わいが魅力である。
山梨の風景とワインは、切り離せない。
ぶどう畑を見てから飲むワインは、ただの一杯ではなくなる。目の前にあった畑、丘の斜面、遠くの山並みまで、グラスの中に少しだけ溶け込んでいるように感じられる。

勝沼ぶどうの丘へ
山梨でワインを楽しむなら、一度訪ねてみたい場所が勝沼ぶどうの丘である。
勝沼は、山梨の中でもワインの町として知られる場所だ。周囲にはワイナリーが点在し、ぶどう畑が広がり、どこか南仏やイタリアのワイン産地を思わせるような明るさがある。
勝沼ぶどうの丘は、その名の通り、丘の上にある。
そこへ向かう道を進んでいくと、少しずつ視界が開けてくる。ぶどう畑の先に、甲府盆地が広がり、その向こうに山々が重なる。晴れた日には、空が大きく感じられ、風景全体がやわらかい光に包まれているように見える。
ここは、ワイン好きにとってはもちろん楽しい場所である。
けれど、普段あまりお酒を飲まない人でも、十分に楽しめると思う。丘の上から眺める景色、ぶどう畑の雰囲気、施設の中を歩く時間。それだけでも、山梨へ来たという実感がある。

丘の上に立つと、山梨の地形がよくわかる。
盆地の広がり、山の重なり、日差しの明るさ。ぶどうが育つ土地というものを、説明ではなく風景として感じられる。
ワインは、土地の産物である。
だからこそ、ワインを味わう前に、その土地の風景を見ることには意味がある。勝沼ぶどうの丘は、そのことを自然に教えてくれる場所だった。









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