はじめに
最近読んだ図説 モネ「睡蓮」の世界がとても興味深く、モネの睡蓮の世界へ引き込まれました。モネが睡蓮を描いたのは、ジヴェルニーという村です。パリからもすぐ行ける場所にあるため、コロナが落ち着いたらぜひ訪れてみたい場所ですね。
今回は、モネにゆかりのあるこのジヴェルニーとヴェトゥイユという村を紹介します。
モネは、ノルマンディーの港町ルアーブルで生まれ、その後パリでの生活を経て、1870年代後半からノルマンディーの小さな村々を渡り住みます。この時期に住んだのが、これらの村になります。

ジヴェルニー
ヴェトゥイユでのモネ
モネは、1878年9月から1881年までの3年ほどヴェトゥイユで暮らしました。それは彼の30代後半の時期にあたります。
ヴェトゥイユに移り住むまでは、パリ近郊のアルジャントゥイユの家に住んでいましたが、経済的困窮から、家賃をエドゥワール・マネに借りて引き払い、セーヌ川を下った先の小さな村ヴェトゥイユに移り住んだのです。



ヴェトゥイユへの旅
ヴェトゥイユは、パリから北西に約60kmほどの所に位置します。
僕はパリのサン・ラザール駅から電車に乗り、マント=ラ=ジョリーに向かい、そこから友人の車でヴェトゥイユを目指しました。もちろん距離的には、パリから車でも十分行けます。


ヴェトゥイユのモネ宅
ヴェトゥイユ周辺は、セーヌ川が蛇行している地域で、村自体はセーヌ川右岸にあたります。モネと家族が住んでいた家は、現在クロード・モネの名を冠した通り沿いにあります。

この辺りはとてものどかです。車でしばらく走るとモネの暮らした家の前に着きます。車を降りてゆっくり散策してみるのもいいですね。

家の壁や周辺にはモネの説明が書かれています。彼の住んだ家の事、家の周辺にキャンバスを置いて描いた作品の紹介などなど。

ヴェトゥイユ時代のモネ
モネと彼の一家がここに住んでいた時期は、先に述べたように、モネにとって困窮した時期でした。
その理由の一つとして、モネのパトロンであったオシュデ氏の事業の破綻があります。彼はその影響を被り、結果として、パリ近郊からヴェトゥイユの田舎に移り住む事になります。
この時、モネ一家は奇妙な事に、オシュデ氏の夫人と7人の連れ子と共にヴェトゥイユへ移ります。この夫人とモネは、不倫関係の噂もあり、どこか訳ありといった感じでした。

ひと夏の滞在予定が、結果ヴェトゥイユには3年も滞在します。上記の困難な状況に加えて、前述したようにモネ夫人カミーユの死去が重なります。
モネは、困窮の中で妻を満足に看病や治療が出来なかった事とともに、オシュデ夫人との不倫の気まずさもあり、深く悩みました。
この時期、妻のカミーユもまた、どのような気持ちであったでしょう。
そのようなモネを取り囲む人間模様を思い出しながら、今なお現存するモネ宅を眺めます。

モネの家に泊まれる!
実は、この建物に泊まる事が出来るみたいです。僕は泊まリませんでしたが、機会があれば是非ゆっくり滞在してみたい。のどかな地域で、景観もよく、静かにモネに浸れるでしょう。それにフランスの田舎はとても美しい。
詳細は、下記のサイトから。
http://escale-chez-un-impressionniste.com/chambre-double-limpression-bleue/


この地域は、日本の観光ガイドブックや、その他案内にもあまり載っていないため、現地に行くのは少し大変かもしれないです。しかし、フランスの田舎に来たなー!という旅情に浸れること間違いなしです!
ジヴェルニーでのモネ
モネの代表的な連作である睡蓮は、彼の自宅があったジヴェルニーの庭に池を掘り、そこに睡蓮を植えたものを描いたもの。つまり「自然の池」を描いたものではなく、モネが庭師と共に作り上げた「理想郷」を描いたと言っていいでしょう。

モネが魅了された睡蓮と水と光の共演は、そのまま作品に反映されており、ジヴェルニーを訪れると、それが本物の景色として我々の目の前に広がります。まさに絵の世界に入ったかのようです。

モネと日本
19世紀のフランスでは、ジャポニスムと呼ばれる日本ブームが起きます。モネも、浮世絵をコレクションをしたりしました。そう、モネも日本文化に魅了された一人でした。浮世絵コレクションは、家の中に展示されているため、鑑賞ができるのも興味深いですね。
睡蓮シリーズには、日本の太鼓橋が描かれているものもあり、我々日本人の目を引きます。彼は自宅の池に、日本風の太鼓橋を作り何度も筆を握りました。

ジヴェルニーのモネの家と庭を訪れると、こうした彼の日本趣味もうかがえて、我々日本人には親近感がわきます。
※↑原田マハさんの小説。印象派の画家を取り囲む女性が沢山出てきます。フランスらしいというか、なんかオシャレな感じの本です。気分に浸れる事間違いなしです。

モネの家と庭は、花が咲く暖かい時期に一般公開されます。よって、11月から3月末までは非公開となっているため、行く前に事前チェックするのが望ましいです。庭園に咲き乱れる花々は、しっかりと管理されていて、とても綺麗に咲き誇っています。
※今はコロナの関係もあるので、事前に開園しているかチェックした方がいいです。パンデミックの間は、閉園されているみたいです。


庭園に咲いている花々も、モネの植えた花や趣向も、しっかり考慮され今に伝えられているそうです。
池に浮かぶ睡蓮と庭に咲く花々を見るとき、まさに「彼の絵画世界に入り込んだかのような体験」をすることができます。
モネのファンならずとも是非とも訪れたい場所ですね。
ジヴェルニーをフランス公認ガイドの案内で旅してみよう。
ジヴェルニーはパリからも行きやすいため、ぜひ旅行してみたいですね。公認ガイドさんの動画を紹介します。あなたの次の旅への参考に。

Photo and Writing by Hasegawa, Koichi and Shino
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