旅する美術史:モネを訪ねて ジヴェルニーとヴェトゥイユを歩く 睡蓮の庭とセーヌの村
はじめに
印象派の巨匠クロード・モネが生み出した数々の名画は、日本でも高い人気を誇ります。なかでも晩年の「睡蓮」の連作はとりわけよく知られ、日本の美術館でも作品を見る機会があります。
モネが睡蓮を描き続けた場所として、まず思い浮かぶのはジヴェルニーでしょう。パリから日帰りでも訪れることができるこの村は、彼が長い晩年を過ごし、自らの庭を創造の場へと変えた特別な土地でした。
けれど、モネの人生と芸術を土地からたどるなら、ジヴェルニーだけでは足りません。
その前に彼が暮らしたヴェトゥイユもまた、重要な転換点となった村です。
経済的困難、家族の問題、そして制作の継続。
この静かなセーヌ沿いの村で、モネは苦しみを抱えながらも、画家としての成熟を深めていきました。
今回は、モネの人生のなかで特に意味の大きい二つの村、ヴェトゥイユとジヴェルニーを取り上げます。
前者は苦境のなかで制作を続けた村、後者は理想の庭を築いた村。
この二つを並べて見ることで、モネという画家の歩みが、より立体的に見えてきます。



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