今回は文学と京都をテーマに川端康成の名作『古都』を取り上げます。
四季折々の京都が舞台です。
目次
1. 『古都』を読んで京都に浸る
小説を読んで旅気分。今回の旅行先は京都がいい。どの小説がいいだろうと考え、すぐに思いついたのが川端康成の『古都』。美しい文章が織りなす情景にうっとりする名作。うん、この小説を読んで京都に浸ってみようと思います。
僕は物語が創り出す情景が、ずっと鮮やかに心に残っている作品は傑作だと思います。そういった作品は、読了して何年経っても印象に残っているもの。
川端康成の作品は、僕にとってそういった作品が多く、『古都』もその一つ。美しい京都の風景と登場人物とがリンクして、今でも情景が脳裏に焼き付いています。
2. 『古都』から行きたい京都の「季節」を見つける
人間が創り出す文化と、積み重ねてきた歴史。それとともに、山々や木々、竹林や季節に咲く色とりどりの花々もまた京都の持つ美しさを構成する大きな要素です。
京都は、自然の美しさのなかに人間の持つ匠を取り入れ創られた街。まさに自然と人間が織りなす芸術作品のような街が京都です。
その京都を舞台にしている『古都』なので、もちろん季節の美しい描写が多く登場します。
3.『古都』:9章からなる四季折々の京都
春は「春の花」「尼寺と格子」「きものの町」。
夏は「北山杉」「祇園祭」。
秋は「秋の色」「松のみどり」「秋深い姉妹」。
冬は「冬の花」。
どの章からも四季折々の自然を感じることができるし、その季節ごとの行事や建物の描写も見事。
まず冒頭の「春の花」の章における二輪の「すみれの花」の箇所がとても美しい。これが双子の姉妹の話に繋がっていくのが読み進んでわかってきますが、その表現は本当に素晴らしい。
ところで、浅田次郎のエッセイ『見果てぬ花』には、日本文学は「四季折おりの風物を命」としているとの記載があります。川端康成の『古都』は、この日本文学の王道をいってますね。そう、四季と風物が美しく綴られている小説なんです。
歴史ある普請に通り、時代祭や祇園祭などの祭り、舞妓や着物、京野菜や漬物。そして絢爛たる美術や工芸。こうした色とりどりの文化と京都の四季が心地よいです。
物語の面白さと共に「京都」を感じることができるのも、この小説の魅力。小説の中で気になった「季節」を実際訪ねてみましょう。
※さすがノーベル文学賞作家だけあり、英文版も。
※ 浅田次郎のエッセイ集『見果てぬ花』は、JALの機内誌に連載されたエッセイ。彼の筆で色々な旅を感じられて面白いです。
4. 『古都』あらすじ:古都京都に映える美しい娘のドラマ
主人公の千重子は室町通りにある呉服問屋の美しい一人娘。呉服問屋の娘らしく、劇中でも着物や帯を身につけることもあり、自然と京都の着物文化が登場します。こういった日本らしい伝統は、京都でこそさらに映えます。
千重子は捨て子としての生い立ちですが、拾われた両親に大事に育てられます。物語は、この美しい娘のドラマが綴られていきます。
ある日、千重子は自分にそっくりの苗子と知り合います。実の双子の姉妹がここで出会い、ドラマは回転していきます。
物語は苗子の住む北山杉の村でも進むます。この北山杉の描写が好きで、一度ゆっくり京都の山間を訪ねてみたいと思いますね。
また、千重子が嵐山方面へ行くシーンがあります。いつも観光客で賑わう嵐山や渡月橋付近ですが、千重子も賑やかな付近よりも、落ち着いた場所が好きだと言うところがあります。これには僕も同意。あなたはどうでしょうか。
5. 京都へ行こう
小説にも表現されていますが、季節ごとの京都を目当てに行くのは、とてもオススメです。と同時にテーマを見つけて行くのがいいです。
僕は美術が好きなので、仏像巡りがいいですね。
テーマとしてオススメなのが以下の通りです。
- 京都仏像巡り
- 京都夜のライトアップ
- 京都の味を巡る旅
などなど。
6. オススメの嵐山散歩コース
嵐山へ行った時の散歩コースを紹介します。オススメは、渡月橋を渡らずにずっと桂川の川沿いを上がって行くルート。
さあ行ってみましょう。川沿いを山々を見ながらのんびり歩きます。桂川のせせらぎが気持ちがいいです。この辺りは空気も綺麗で、気持ちがいいですよ。
途中、松籟庵があるので嵯峨懐石料理を楽しむのがオススメ。秋には紅葉が綺麗なので、料理とともに雰囲気を楽しみたいです。
そのあと大河内山荘庭園を目指します。
庭園にある茶屋で一服するのもいいですね。この庭園は、昭和の俳優である大河内傳次郎が30年かけて作ったそうで、嵐山や比叡山の景色も楽しめます。
中門をはじめ大乗閣、持仏堂、そして茶室である滴水庵が有形文化財として国に登録されているそう。
嵐山から大河内山荘の散策は、京都出身の友人に勧められて以来、京都へ行くときはいつも散歩しに行く場所です。穴場スポットでしたが、近年では観光客もちょっと増えたとか。
大河内庭園を後にして竹林を歩いてみましょう。京都をぐっと感じるはず。
ここら辺は静かで京都の文化を自然の中で堪能出来ます。
川端の『古都』で京都を旅してみよう。小説から得た雰囲気を旅先でも探しながら。
四季があらゆる面で色濃く残る京都を映像でも
小説で思い描いた京都情景を映画でも楽しんでみましょう。探してみたら山口百恵主演映画も。
Writing and photo by Hasegawa, Koichi and Shino
私も、京都は大好きな所です。
川端康成の、古都の本に、興味を持ちました。 紅葉の、写真があまりに素敵なので、感動しました。希望としては、1年に、一度は旅行したい場所ですね。又素敵な所を。 紹介して下さい。待つてます。
僕も京都は大好きです。紅葉の時期はきれいですよね!