旅の光景:ジャイアンツ・コーズウェイを歩く ダブリンから北アイルランド、神話の海岸へ

ジャイアンツ・コーズウェイの奇景

いよいよコーズウェイ海岸へやってきました。

目の前に広がるのは、まるで別世界のような風景です。
海岸の一角には、無数の六角形の石柱が地面から突き出すように並んでいる。
その姿は、自然の造形というより、誰か巨大な存在が海辺に石を刺し立てたかのように見えます。

ジャイアンツ・コーズウェイが見えてきた。

この不思議な岩の正体は、四角から八角までさまざまな形をした玄武岩です。
なかでも多いのが六角柱で、それが規則正しく並んでいるため、風景全体がひとつの巨大な幾何学模様のように見えます。

足元に広がる石の道を歩いていると、自分がただの観光地を訪れているのではなく、
地球のどこか深い記憶の上を歩いているような気持ちになります。
自然がここまで整然とした形を生み出すことに、ただ驚かされるばかりです。

ほとんどが六角柱だが、四角から八角までさまざまな岩が並ぶ。

石の好きな人なら、きっと長くここにいたくなると思います。
僕自身、ひとつひとつの角度や形を見ているだけで時間を忘れました。
石の間を海風が抜け、遠くで波が砕ける音がする。
その中に立っていると、この場所の魅力は視覚だけではなく、空気全体にあるのだと感じます。

神話の海岸

この奇岩群には、アイルランドの神話が息づいています。

伝説によれば、アイルランドの英雄フィン・マックールが、海の向こうのスコットランドに住む巨人との戦いのために、石の道を海へ向かって築いたのだといいます。
海へ向かってまっすぐ伸びていくこの不思議な地形を前にすると、その話がまるで土地そのものから生まれた物語のように思えてきます。

ここに立つと、地の果てまで来たような感覚と、目の前の景色が神話の入口になっているような感覚が同時にやってきます。
旅先でそういう気持ちになる場所は、そう多くありません。

海岸一帯に広がる不思議な景色。

そしてこの神話には、さらに続きがあります。
スコットランドの対岸にある「フィンガルの洞窟」にも、これに呼応するような玄武岩の柱状節理が広がっているのです。
僕はまだそこまで訪れたことはありませんが、アイルランドからスコットランドへと続く神話の旅路を辿るのも、きっと忘れがたい体験になるでしょう。

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