フランス建築の至宝!ロマネスクとゴシックが融合するストラスブール大聖堂を巡る旅

ゴシック建築の至宝:ストラスブール・ノートルダム大聖堂の壮大さに圧倒される

ストラスブールの街を歩いていると、不意に建物の隙間から姿を現す圧倒的な存在感――それが、この街を象徴するノートルダム大聖堂です。ゴシック建築の傑作として知られるこの大聖堂は、街のどこからでもその尖塔が視界に入るほど、ストラスブールの象徴的な存在となっています。

特筆すべきは、高さ142メートルにも及ぶ尖塔。中世に建てられた建築物としては当時世界最高の高さを誇り、1874年にハンブルクの聖ニコライ教会に記録を破られるまで、長きにわたってその地位を保っていました。目の前で見ると、その緻密な装飾と圧倒的なスケールに言葉を失うことでしょう。

ストラスブール大聖堂の威容

文学が讃えた大聖堂:荘厳な赤の砂岩が織りなす歴史的傑作

ストラスブール・ノートルダム大聖堂は、その壮麗さから多くの文学者に讃えられてきました。ゲーテはこの大聖堂を「荘厳な神の木」と称し、ヴィクトル・ユゴーは「巨大で繊細な驚異」と表現しています。その言葉が示す通り、大聖堂は見る者に圧倒的な感動を与える建築物です。

建設が始まったのは1176年。数百年の歳月をかけ、ついに1439年に完成を迎えました。赤みがかった外観は、ヴォージュ山脈から切り出された砂岩によるもの。ゴシック様式の繊細なディテールと赤の砂岩が生み出す独特の色彩美が、訪れる人々を中世の時代へと誘います。

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圧倒的な彫刻美:ストラスブール大聖堂が誇るゴシック装飾

ゴシック建築の大きな特徴のひとつが、圧倒的な装飾美です。特にストラスブール大聖堂の西側の壁は、その象徴ともいえる存在。ゲーテが絶賛したこの壁面には、膨大な数の繊細な彫刻が施され、訪れる者を魅了します。

彫刻で覆われた大聖堂正面

人物像や宗教的なモチーフが巧みに刻み込まれた彫刻は、まるで中世の物語が石に描かれているかのようです。

近くで眺めると、その緻密な細工と職人技に思わず息を飲むことでしょう。ゴシック建築の真髄ともいえるこれらの装飾を、ぜひじっくりと楽しみたいですね。

Shino
Shino
大聖堂を覆う装飾が凄いですね!
大聖堂を飾る装飾は見応えがある。

ロマネスクとゴシックが織りなす調和:ストラスブール大聖堂の建築美

「ロマネスク様式」という名称は、フランスの考古学者ド・ジェルヴィル(1770–1853)が提唱したもので、「ローマ風」という意味を持つ造語です。この様式の特徴は、半円アーチや分厚い壁、そしてシンプルで重厚なデザイン。装飾性が控えめで、古代ローマ建築の影響を色濃く受けた重厚感が、ロマネスク建築の本質です。

ストラスブール大聖堂は、建設初期にロマネスク様式が採用されており、現在もその影響が北側や中央身廊部分に残っています。この堅牢で威厳あるロマネスク様式と、後に追加された繊細で装飾的なゴシック様式が融合することで、大聖堂は独自の建築美を生み出しています。歴史の中で変遷を遂げた建築様式の共存を感じながら、この大聖堂の細部を堪能してみてはいかがでしょうか。

Shino
Shino
なるほど、ロマネスク建築は重厚感がある印象を受けますね。

ゴシック建築の真髄:ストラスブール大聖堂の壮麗なデザイン

ストラスブール大聖堂の大部分、特に西側ファサードはゴシック様式の華やかさで彩られています。ゴシック様式の定義は多面的で難しい部分もありますが、その主な特徴として挙げられるのは、尖塔アーチの美しい曲線、圧倒的な高さを持つ内部空間、そして光を巧みに取り入れるステンドグラスの存在感です。

この建築様式は、12世紀後半にフランスで生まれ、パリのノートルダム大聖堂やケルン大聖堂といった名建築がその象徴として知られています。ストラスブール大聖堂もまた、その系譜を継ぐ存在でありながら、独自の特徴を加えています。尖塔の美しさや空間の広がりを目の当たりにすれば、ゴシック様式が「天に向かう祈りの建築」と称される理由を実感できることでしょう。

Shino
Shino
ゴシック聖堂はとにかく尖塔が高く、天井もとっても高いですね。

数百年に渡る建築期間の間に、同じ建物でありながら建築様式の変遷があり、面白い。ストラスブールのノートルダム大聖堂を見に行く機会があれば、建築様式の違いを探してみるのも面白いと思います。

中世ヨーロッパの建築は、何世紀にも渡り建造がされるケースもあるため、同じ建築の中に、それぞれの時代で流行した建築様式が見られることがあります。ストラスブール大聖堂もまた同様でした。建築スタート時に流行していたロマネスク様式。建築が本格化した時期はすでにゴシックの時代となっていたため、今ではゴシックの傑作と言われる建築が完成したんですね。

Shino
Shino
なるほどー!同じ建築の中に様式の変遷が見られるって、面白いですね!
ドンキーさん
ドンキーさん
有名なモンサンミッシェルもそうなんですよ。

モンサンミッシェルは、ゴシック様式やロマネスク様式、さらにはノルマン様式など、さながら建築博物館のようだと言われます。

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モンサンミッシェルにも様々な建築様式が同居する

最後に:数世代にわたる思いが紡いだ大聖堂

ストラスブール大聖堂を見てきましたが、その壮大さと歴史的背景に深い感銘を受けます。建築に何世代もかかる中で、時代ごとの様式が取り入れられている点がとても興味深いです。中世の建築は、現代のような機械技術がなかったため、完成までに長い年月がかかりましたが、その分、各時代の流行や技術の進化が反映され、見る者を驚かせます。

何百年もの間、建築作業を途切れることなく続けるのは、まさに驚異的です。建築様式を超えて、当時の人々の思いが何世代にも渡って継承され、この大聖堂を形作ったことに、深い敬意を感じずにはいられません。

Photo and Writing by Hasegawa, Koichi

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