イタリア紀行:水の都ヴェネツィアには「海の道」がある。海路からヴェネツィアへ行く。

はじめに

今回の旅先はヴェネツィア。海に浮かぶ水の都へは、「海の道」を通って入りたい。というのも、1000年に渡るヴェネツィア共和国の歴史の中で、ヴェネツィアへの入国は、海からの道が正規ルートだったんです。

ヴェネツィア

※ヴェネツィア共和国の歴史については塩野七生さんの「海の都の物語」がオススメ。

海上から見る水の都ヴェネツィアの美しさ

ヴェネツィア美術と歴史を愛する者として、古代からのルートを辿り、ギリシャからアドリア海を海路北上して、ヴェネツィアの玄関口であるサン・マルコまで行ってみたいというのが、長年の夢でした。

それはこの街をまずは海上から眺めてみたいから。

Shino
Shino
憧れのヴェネツィア。海の上から眺めるとどんな感じなんでしょうねー!!

海上からサン・マルコに近づいていくと、まるでデコレーションケーキの上に乗ったようなドゥカーレ宮殿が左手に見えてきます。そして、奥にはシンボルである鐘楼がそびえ立っています。

目を右手に移すとサンジョルジョ・マッジョーレ聖堂とサンタマリア・デッラ・サルーテ聖堂が美しい姿を現してきます。
海の上に光と靄の中浮かび上がってくるこの光景は、それはそれは美しい。

海の上からヴェネツィアを見よう

ALILAGUNA社の水上バスでヴェネツィア本島を目指す

本当は、古代のルートであるアテネからの海路でアドリア海からヴェネツィア入りが理想です。でも、時間とコストがかかりますよね。今はヴェネツィアの空の玄関口ヴェネツィア・テッセラ空港(マルコポーロ国際空港)から水上バスが出ており、これならリーズナブルで海から行けます。

今回は水上バスで、中世からのヴェネツィアの玄関口であるサン・マルコを目指してみます。

空港の外に出たら水上バス乗り場を目指します。

空港から外に出ると水上バスの乗り場があるので、水上バスに乗り込んでみましょう。

水上バスは主に3路線。ブルーライン(空港からムラーノ島⇒リド島⇒サンマルコ広場)、レッドライン(夏季のみ運行で空港からムラーノ島回りで本島へ向かう)がサン・マルコまで直接行きます。オレンジラインはリアルトまで行くので、ホテルの場所によって使い分けるといいですね。

グリーンラインもありますが、これは離島路線となります。

30分から1時間おきぐらいに船が出ています。所要時間は1時間ほど。のんびりと行きましょう。

Shino
Shino
チケットは空港から片道15ユーロほどです。往復で買うと少し安いですよ。

空港から水上バスで海上に出ると海が開けて気持ちがいい。靄がかかっている感じもヴェネツィアらしいです。

海上を走っていると、海の中から信号のようなものが突き出ているのが見えます。海の上に水上バスルートがあるのでしょう。ここはヴェネツィアなんだなぁと実感する光景です。

水面に信号みたいなものが沢山ある
Shino
Shino
本当だ!海の中から信号みたいなのが出ていますね。道があるみたい!

ムラーノ島を通って

やがて水上バスはムラーノ島に入ります。ムラーノ島は、ガラス工芸で有名。そう、有名なベネチアン・ガラスです。水上バスを降りてみて散策するのもいいです。本島のように観光客があまりいないため、歩きやすく、落ち着いていてとてもいいですよ。

ムラーノ島を通る

ムラーノ島のベネチアン・ガラスは、中世の時期から有名で、共和国の重要な輸出品でした。今でもガラス工房が軒を連ねます。

ムラーノは、ヴェネツィア本島からも水上バスで15分ほどの距離。後日また来てもいいですね。カラフルな街並みや、ガラス工房などの見学もオススメです。

Shino
Shino
ベネチアンガラスは世界的に有名です。ここでガラスが作られているんですね。装飾が綺麗なワイングラスが素敵です。
ヴェネツィアの名産品案内
オススメなのが、ベネチアンなワイングラス。Amazonで。
カラフルなベネチアンなイヤリング。Amazonで。
霧に包まれた街。雰囲気ありますね。
水上バス乗り場はこんな感じです。

写真のように、水の上に水上バス乗り場があります。

ヴェネツィア本島での移動手段の一つにも水上バスがありますが、乗り場は同じような乗り場になります。

ヴェネツィアへは車が入れないため、本島でも交通手段は水上バスか、ボート、ゴンドラになります。車のエンジン音が聞こえないということは、とても静かな街ですよね。

そんなことから、こうした水上バスは生活や観光の足になります。

ヴェネツィア本島へ

ムラーノ島を抜けると、水上バスは本島を目指し再び海上に出ます。

Shino
Shino
海上の雰囲気がとてもいいですね!水上バスの旅はいいですね〜。
海上の信号みたいなのが増えてきた。本島がちかい。

海上から突き出た信号が沢山見え始めますね。いよいよ本島が近いんでしょう。

ところで、中世の歴史をみても、異国の侵入を防いだのは、ヴェネツィア人が干潟や海の浅瀬を把握していたからです。異国の船を座礁させたり、本島への侵入を防げたのは、彼らが海を熟知していたからなんですね。

今でも残るこういった「信号」や「海の道」は、中世からの名残といってもいいかもしれません。確実に彼らが知っている道が海上にあるんです。

途中、空港行きの水上バスとすれ違う時があります。帰りも空港まで船で乗りつけるのもヴェネツィアならではです。

もうすぐサンマルコ。船が増えてきた。
Shino
Shino
ヴェネツィアならではの船旅ももうすぐ終わりです。ヴェネツィア本島にあるサン・マルコが近づいてきました!

水上バスは、本島の先端を回りサン・マルコを目指します。船も多くなってきます。

この辺りからはリメンブランツェ公園が見えます。現代アートの祭であるヴェネツィア・ビエンナーレはこの辺りで行われます。

サンマルコに到着です

さあ、サン・マルコに到着です。時間は少しかかりますが、空港から「海の道」を通ってヴェネツィア本島に入るのはとても風情があります。

海からヴェネツィアへのアプローチは、中世以来の言わば本来のルート。是非オススメしたいです。

もちろん陸路からも

ところで、現在は本土から鉄道がつながっているため、鉄道でヴェネツィアへ入る人も多いです。

ヴェネツィア・サンタルチア駅を降りたら、すぐに運河が広がっていて、気分が上がりますね。ここから船に乗るのもありです。これはジョニー・デップ主演の『ツーリスト』という映画でも登場するシーン。

ジョニーデップ主演のツーリスト。ヴェネツィアが舞台の作品。
Shino
Shino
映画にも出てきますが、パリから列車でヴェネツィアへ旅をするのもとてもロマンチックですね。

Photo and Writing by Hasegawa, Koichi and Shino

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