はじめに
今回紹介するのは、現代アートの殿堂であるテートモダン(ロンドン)。
テートモダン
一見すると「これが美術館か?」という外観ですが、テートモダンは、今やロンドンだけでなく世界を代表する近現代美術の殿堂です。その素晴らしいコレクションや話題性のある最先端の展覧会といい、とにかく時代をリードする美術館なんです。
バンクサイド発電所からテートモダンへ
この建物は、もともとバンクサイド発電所でした。なんと発電所を改装した美術館なんですね。なので、このように美術館らしからぬ外観をしているんです。高さ99mの煙突も発電所の名残りです。
この美術館はテムズ川沿いのサウスバンク地区にありますが、もともとこの地区は倉庫街だったそうで、1980年代に再開発されたエリアです。 バンクサイド発電所は、戦後のロンドン復興の電力供給を助けるため1947年に建造され、1981年に閉鎖されました。その後は部分的に取り壊しされたりなど、建物自体は荒れていたのですが、1994年に美術館として再利用する案が発表されます。
現在もイギリス美術の殿堂であるテートギャラリー(当時)は、所属作品数が多く、展示スペースや収蔵庫に問題を抱えていたため、現代美術を展示出来るぐらいスペースのある建物に移す計画を練っていました。
バンクサイド発電所跡に目をつけたテートは、広いスペースにも恵まれ、大きな作品や現代アートのインスタレーションの展示に適しているのを見出します。
テートギャラリーはテートブリテンとして存続させ、主に英国美術を扱うようにしました。そして、近現代美術館としてはテートモダンを2000年にオープン。
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英文の本ですが、モダン美術館と美術館建築に興味のある方はぜひ。優れた一冊です。
イギリスで最も人気の美術館
テートモダンには、モネ、ドガ、ピカソ、ブラック、マティスなどの20世紀前半の作品から、ポロックやロスコなどのアメリカのアーティスト、ジャコメッティやムーアの彫刻など数多くの巨匠の作品群が並びます。
また、タービンホールと呼ばれる大きな空間スペースでは、現代アーティストによる展示が行われたりします。その他広い空間を持つテートモダンでは、パフォーマンス・アートやダンス、インスタレーションなど最先端のアートを展示します。
オラファー・エリアソンのウェザープロジェクト
テートモダンで代表的なインスタレーションを紹介します。
有名な現代アーティストであるオラファー・エリアソンは、テートモダンで行った大規模なインスタレーションプロジェクトであった「ウェザープロジェクト」(2003)で知られます。上述のタービンホールで行われるこのプロジェクトは、オレンジ色の照明を沈まない巨大太陽として設置します。
(オススメ書籍の紹介) Tate Modern Artists: Olafur Eliasson (Modern Artists Series)
この巨大なオレンジ照明と共に加湿器による霧と、天井に設置された巨大な鏡によってつくられる空間は、エリアソンを代表するアート空間として有名です。
おわりに:イギリスで最も人気の美術館
大人気のアートスポットとして注目を集めるテートモダンは、先頃イギリスの高級紙ガーディアンの記事にも「現在イギリスで最も訪問者を集める施設」として紹介されました。
現代作家の作品も数多く展示されているのと、質の高い展覧会も行われているため、訪問時にはチェックしておくといいです。 ロンドンは世界を牽引するアートセンターです。テートモダンで是非最先端の現代アートにも触れたいですね。
Photo and Writing by Hasegawa, Koichi and Shino
参考 テートモダン: 最新の展覧会情報をチェックしよう。 https://www.tate.org.uk/visit/tate-modern
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