夜の散歩シリーズ。チェコのプラハ編。
この美しいプラハの夜を紹介しながら、この街を舞台にしたいくつかの作品を紹介します。
今回散歩した場所
カフカの『変身』、浦沢直樹の『モンスター』、そしてトム・クルーズの『ミッション・インポッシブル』。それぞれが、どれも傑作。
家にいながらプラハの夜を旅してみましょう。散歩ルートは旧市街からカレル橋です。
フランツ・カフカの『変身』は20世紀を代表する小説の一つ
20世紀を代表するチェコの小説家フランツ・カフカの『変身』(1915)。
主人公グレゴール・ザムザは朝目覚めると虫になっていたという物語で、カフカの抜群の筆力もあり、いっきに読ませる面白さがある小説です。個人の身の上に起こった不幸とその家族の情景を描いたカフカの傑作。
ちなみに、うちの妻にあらすじを少し話しただけだったが、「怖くて読めない!」と言ってました。
主人公のグレゴールが目が覚めた朝は霧がたっていたとありますが、実際のプラハはどんな所であろうか。作品中で舞台はプラハという記載はなかったと記憶しますが、カフカは生涯プラハで過ごしたため、作品の舞台もプラハにある家の中であったかもしれないですよね。
夜のプラハ旧市街を歩く
夜が美しいプラハ。作品の舞台にもプラハの夜がよく登場する。少し街を歩いてみましょう。
僕はある年の夏、デューラーの傑作を見るためとミュシャ美術館に行くためベルリンから電車でプラハに入りました。『変身』の主人公も、虫になって目覚めた朝は、列車に乗って商売に行く設定だったはず。そんな事を思いながら列車を降ります。
浦沢直樹の『モンスター』をお読みの方はご存知だと思いますが、ドイツからプラハに電車で入るシーンが出てきます。この作品のファンとして、これをやってみたかったんです。いつかここを旅する機会があれば、ドイツからプラハへの列車の旅もオススメですよ。
プラハの旧市街を歩いてみましょう
ホテルに荷物を置いてから、迷路のような旧市街を歩いてみました。入り組んだ路が多い旧市街を歩きます。すると大きく視界が開けます。旧市街広場です。
目の前に広がる光の空間。前方にはティーン教会、左手には天文時計が時を刻む。眩い光に包まれた美しい広場。
この街がヨーロッパの他の街と違うと思うのは、「100塔の街」と形容されるように沢山そびえる塔とそのデザインのせいであろうか。まるで童話かおとぎ話の世界に入ったかのような。プラハの夜は美しい。
浦沢直樹の傑作ミステリー『モンスター』
プラハを舞台にする作品紹介に戻りましょう。
浦沢直樹で好きな作品は『マスターキートン』もですが、どれもミステリーです。プラハはクライマックスにいく上で重要な街として登場する。そして、そう「夜のプラハ」がよく登場します。20世紀のプラハの歴史は、東西冷戦を通して大変なものでした。その歴史的な雰囲気もよく作品に反映しています。
『モンスター』はドイツやチェコを舞台にしているので、この地域に興味がある方にもオススメの傑作ミステリー。
漫画も傑作ならアニメ版も本当によく出来ています。
下に紹介したものは、外国語版ですが、日本語版より安いです。フランス語等の字幕が出るが、日本語音声。
トム・クルーズ『ミッション・インポッシブル』(1996)。
映画の冒頭の舞台はプラハの夜。ご覧になった方もいるかと思いますが、様々な謎が提示されるプラハの夜は、とても効果的なシーンが多いですよね。シリーズ中で1番好きな作品。
僕は夜の街を撮るのが好きですが、プラハは本当に絵になる街です。
中世の路地が多く、光に包まれている美しい建物、川が流れ、丘の上にはお城がある。歴史的にも東西の狭間で揺れ動いたため、その景観とともにこうした歴史の雰囲気も加わり物語の舞台には最高です。
Photo and Writing by Hasegawa, Koichi and Shino
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