「夜の散歩シリーズ」:夜の小樽運河には光の魔法がかかる。小樽紀行(北海道)

夜の小樽運河

夜の散歩シリーズ、北海道小樽編。

風情ある小樽の街。なかでも運河周辺の景観が有名だ。ということで、今回は小樽の夜散歩ガイド。

小樽運河

小樽を歩く

札幌から電車で30−40分、新千歳空港から快速で1時間20分ほどで小樽駅に到着する。

「小樽がはじめて」という方は、新千歳空港から「快速エアポート」の指定席Uシートがオススメ。ゆったりと座れるし、列車が札幌を過ぎて石狩湾に出ると、海岸沿いの景観を楽しめる。

小樽への車窓より石狩湾を臨む

石狩湾の海岸線から少し内陸に入るとやがて小樽駅に到着する。小樽はかつて海運や漁業で賑わった町。石炭とニシン漁は、北海道の開拓と発展に大きく貢献し、小樽は函館に並ぶ港町となった。

そうそう、海で繁栄を誇った街ならではエピソードとして、小樽と石原裕次郎の関係がある。というのも、彼の父が海運会社に勤めていたのだ。その仕事の関係で石原裕次郎は、少年時代を小樽で過ごしたそうだ。

小樽駅4番ホームにある石原裕次郎の記念パネル

さて、小樽駅からテクテクと歩いて15分ぐらいだろうか。北海道が誇る景観のひとつであり、映画の舞台になったり、よくポスターや雑誌にも載っている有名な小樽運河に着く。この旅の目的は、この小樽運河を見るためだ。

昼間の小樽運河

さあ着いたぞ。しかし、期待して見る小樽運河からは、特にこれと言った美しさが伝わってこない。水辺に歩道がある。そんな印象だった。

でも、見ていると段々と景色に味が出てきた。運河沿いに建ち並ぶ古い倉庫群が、過ぎ去った歴史を伝えてくれる。

小樽運河が造られたのは、1923年。大正時代の頃だ。海運と漁業は大きく小樽に貢献したのだろう。小樽を歩いてると、当時の栄華を伝える重厚な石造りの建物によく出くわす。

洋風の石造り建築が多い

夜の小樽運河の美しさ

ともあれ、まだまだ運河の景観は期待通りとはいかない。でも、僕が見たかったのは、夜の小樽運河だ。よし、夜まで待とう。

運河周辺には美味しいお寿司屋さんもあるのでここで紹介しておく。

おたる政寿司 ぜん庵:ここはYoutubeでも紹介している人がいて、気になっていたお店。北海道ならではの新鮮で美味しい海鮮を楽しめる。ゆっくりできるし、何しろ小樽運河の目の前の立地。

夕暮れの小樽。運河周辺をぶらつく。小樽は地ビールも美味い。

寿司とビールを楽しんでいたら、辺が暗くなり始めた。よし、運河のほうへ行ってみるとしよう。

小樽運河に魔法がかかる時

夜、街灯の光やお店から溢れでる光が作り出す夜の情景はとても美しい。光には力があると常々思ってきたが、その光の魔法が小樽運河にもかかった。

小樽運河沿いにあるガス灯に、

「ジジジジィー」という音がして、光が灯り始める。

ガス灯に火が入る時間帯は、だいたい日没後15分から20分後あたりか。いわゆるトワイライトタイム。この時間帯がとても美しい。

運河沿いにあるガス灯

町にも光が灯りはじめ、運河沿いのガス灯と共に小樽に光の魔法がかけ始められる。

運河は緩やかなカーブを持っているが、夕暮れから夜にかけてのライトアップで映えて見えはじめる。この運河は、海岸の沖を埋め立てて作ったため、少し湾曲しているのが特徴だ。運河は石炭とニシン漁で盛んであった時期、沖合からの荷物の積み下ろしのために工夫して作られたとか。

ともあれ、夜の小樽運河は抜群に綺麗だ。これが見たかった景色だ。

運河沿いにある倉庫群

小樽運河には古くからの倉庫群が立ち並ぶ。今はレストランやバーになっていて、楽しめる。これら倉庫群から光が溢れてきて、それが運河の水面に揺らめきはじめる。

小樽運河は、絶対トワイライトタイムから夜の散策をお勧めする。

小樽はこの時間、都市のようにギラギラと光を発しない。控え目に、そして幻想的に光を出し始める。

ガス燈に火が入りはじめる

小樽運河の夜を楽しむホテル紹介

小樽運河へは夜の散歩がいい。ということで、運河へ徒歩圏内、あるいは運河沿いのホテルがいいということになる。ここではオススメのホテルを紹介しておく。

ホテルノルド小樽:運河沿いにある昔からある高級ホテル。

運河の宿 おたるふる川:立地に雰囲気、朝食とオススメのポイントが多い宿。

ホテル・トリフィート小樽運河:リーズナブルに泊まりたい方にはこちら。大浴場もあり、朝食のビュッフェも美味しい。運河までも徒歩すぐ。

Writing and Photo by Hasegawa, Koichi

 

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