レオナルド・ダ・ヴィンチ終焉の地を訪ねて:クロ・リュセ、アンボワーズ

天才レオナルド・ダ・ヴィンチ (1452-1519) 。彼の足跡をたどると、イタリアを転々とし、晩年はフランスであったことがわかる。

終焉の地はフランス中部の街アンボワーズ。ここはロワール川が近くに流れる小さな街。

イタリア・トスカーナ生まれの彼の終焉の地が、フランスと聞いて意外と思われる人も多い。

今回は彼が最後暮らした場所を紹介する。

レオナルド・ダ・ヴィンチが住んだクロ・リュセ城:フランス王との関係

レオナルドは、時のフランス国王 フランソワ1世に1516年にアンボワーズに招かれた。彼が住んでいた館が、クロ・リュセ (Château du Clos Lucé)。館内は公開されている。レオナルドが使っていた部屋などが見学できるため、とても興味深い。

クロ・リュセに入ってみよう

クロ・リュセにはアンボワーズ城からの直通の通路があり、フランソワ1世もよく通路を使ってレオナルドを訪ねて来ていたそうだ。それぐらいこの大芸術家はフランス王に晩年庇護された。

史上最初の美術史家とも呼ばれるジョルジョ・ヴァザーリの著書にも、フランソワ1世の腕の中でレオナルドは息を引き取ったと記載されている。この逸話は、伝説的な記述で、その真意はわからないが、ともあれ、両者は深い信頼関係であったと想像する。

クロ・リュセの敷地内にはレオナルドらしいオブジェが。

イタリアからやって来たモナリザ:ルーブルの至宝の変遷

レオナルドは、アンボワーズに三枚の傑作絵画を持参している。現在パリのルーブル美術館に所蔵されている「聖アンナと聖母子」「洗礼者ヨハネ」、そして「モナリザ」

彼の没後に弟子がモナリザを相続したが、その後フランソワ1世が購入。その後、フォンテーヌブロー宮殿に所蔵され、ルイ14世の治世時にはヴェルサイユ宮殿に移る。その後、様々な戦火の中での変遷を経て、現在パリのルーブル美術館に所蔵となる。

レオナルドがイタリアからフランスに持参したモナリザが、このようにして現在もフランスにあるのだ。
この作品は未完成と言われるが、レオナルドは常に手元に置き、フランスに来てからも筆を加え続けたそう。

クロ・リュセの中庭からアンボワーズを眺める

いつか訪ねたいアンボワーズのクロ・リュセ

館内の見学コースからはレオナルドも眺めたであろう中庭も見渡せる。ここから遠い異国からやってきた彼と同じ景色を眺めてみる。我々もレオナルドと一緒で、外国人としてフランスの景色を眺めているのだ。ルネサンスの天才に想いを馳せられる瞬間。
クロ・リュセの場所

クロ・リュセを後にしたらアンボワーズを散策してはどうだろう。小さな街だが、中世の雰囲気も残しており、いいレストランやカフェも沢山あるし、この地方のロワールワインを楽しむのもいい。

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Photo and Writing by Hasegawa, Koichi

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