はじめに
イギリスの大都市のひとつバーミンガム。この街はイギリス中部の工業都市であり、様々な人種が住む多様な街。
今回はこの街の建築とバーミンガム運河にスポット当てて紹介する。
バーミンガム
目次
1. バーミンガムはこんな街
バーミンガムは、イングランド中部の中心都市として、産業革命以来の重要な街で、ロンドン、マンチェスターやグラスゴーと並び大都市に数えられる。
日本からもバーミンガムへフライトし、そこから中部イングランド各地へのアクセスすることも可能なので、バーミンガム空港を利用する人も多い。
バーミンガムは、移民も多く、とても国際的な雰囲気もあるし、文化的にも充実している。美術館やオーケストラもレベルが高い。
また、ロックファンにはレッドツェッペリン、ブラックサバスやジューダスプリーストなどにもゆかりがあるため、街の名前に覚えのある方も多いだろう。
運河があったり、サッカーも観れるし、とにかく魅力的な街だ。
2. バーミンガムの新旧の建築を楽しむ
渡英した頃、バーミンガム近郊のカレッジに通ったため、この街には思い出が沢山あるが、印象的な景観が、街の中心部にあるセイント・マーチン広場とブル・リング・ショッピングセンターだ。
写真の右手に近未来的な建物が、ブル・リング・ショッピングセンターで、1万5千枚のアルミニウムの円盤が取り付けられている。中にはハイブランドを取り扱うセルフリッジ・デパートが入っている。
これに対し左手にあるのは、セイント・マーチン教会。歴史的には13世紀に遡る古い教会だが、現在のものは、19世紀のヴィクトリア期に取り壊して再建したもの。
建築家 J.A チャットウィン(Julius Alfred Chatwin) (1830-1907)は、バーミンガムやミッドランド地域で活躍した建築家。
マーチン教会で注目するところは、バーミンガム出身の巨匠エドワード・バーン=ジョーンズ(1833-1898)がデザインしたステンドグラスだ。現地を訪れる事があれば、見学をオススメする。
また、彼の絵画作品は、バーミンガム美術館にも多数所蔵されているため、合わせて楽しみたい。
バーミンガム美術館は、ラファエル前派のコレクションで有名なので、当時のイギリス絵画が好きな方に必見の美術館。バーン=ジョーンズの作品と併せて楽しみたい。
イギリスの建築には、近未来的な斬新なデザインが多い。これはロンドンやマンチェスターなどの大都市に限らず、地方都市にも見られる特徴だ。マンションや大学などで斬新な建築デザインをよく見かける。
バーミンガムの中世と近未来的デザインの建築を見ていると、新旧の共存が、常に新しい文化を生み出す源泉なのかもしれないと気付かされる。
3. バーミンガムで楽しむ運河沿い散歩。イギリス中に張り巡らされている運河とナロウ・ボート
次に紹介するエリアは、運河沿い散策。イギリスの運河は有名で、地方はもちろん、ロンドンなどの都市部でも運河散策が出来るのが魅力。バーミンガム運河を楽しもう。
4. イギリスの運河とナロウ・ボート
イギリスには運河網が約3,200 Km以上 にも渡り張り巡らされている。
もともとは、ローマ時代に灌漑目的で作られたが、産業革命時代の18世紀から19世紀には物流のための大原動力となり発展した。19世紀末の鉄道の登場以降は、その主役を陸上運送に取って代われたが、20世紀後半には、レジャー目的で再度運河が人気を集めるようになった。
ナロウ・ボートで運河を巡る
この運河航行用の船が、上の写真にも写っている細長い船である、ナロウ・ボート(Narrow Boat) 。イギリスにいると、このナロウボートをよく見かける。
ボートの幅は、イギリスの細長い運河を航行するために幅が7フィート(2.14m)以下に設計されている。
船内は、レジャー用途や週末に宿泊できるようにキッチンをはじめ生活に必要なものが揃っているものも多い。これに加え、観光用のナロウボートもあり、場所によっては船に乗って運河を巡ることもできる。
5. バーミンガムで運河散策: ガス・ストリート・ベイシン地区
バーミンガムのガス・ストリート・ベイシン地区は、街の中心部にあるベイシン(船のたまり場)で、運河沿いは雰囲気もよく、散策にはとてもオススメのエリアだ。
ここは、バーミンガム運河水路網のジャンクションで、ここからの水路網は、ウエスト・ミッドランド地域のウスター、ダドリー、ウォルバーハンプトン等を結ぶ。
もちろんナロウボートも沢山航行している。
運河沿いを散策するエリアには洒落たレストランも沢山あり、メイルボックスというショッピングエリアにもアクセスできる。ここはハイブランドが入ったなかなか洗練された所だ。
運河やレンガの建物などを見ながらする食事やお酒を飲むひとときも、バーミンガムの夜の楽しみ方としてオススメだ。
Photo and Writing by Hasegawa, Koichi
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