夜の北京紀行:什刹海(シーチャーハイ)に浮かぶ月

北京夜景スポット・什刹海(シーチャーハイ)を歩く 湖に浮かぶ月と古都の夜

はじめに

夜の散歩シリーズ、今回は北京である。

北京の夜を歩くなら、すすめたいのが什刹海(シーチャーハイ)周辺だ。北京の中心部にありながら、水辺の風景と古い街並みが残り、そこに現代的なバーやレストランの賑わいも重なっている。ここを歩くと、北京という都市が持つ二つの顔――古都としての記憶と、巨大都市としての現在――の両方が見えてくる。

湖畔を歩き、古い路地の気配を感じ、食事をし、ふと空を見上げる。そうした時間の中に、北京の夜の魅力は静かに立ち上がってくる。今回は、初めて北京を訪れたときの印象とともに、什刹海の夜について書いてみたい。

初めての北京

北京(中国)

ある夏の日、上海から飛び立ち、友人を訪ねて初めて北京の地を踏んだ。中国の首都と聞けば、僕の中には悠久の歴史をたたえた古都のイメージがあった。紫禁城のような壮大な建築を抱え込みながら、街全体にもどこか古い都の余韻が残っているのではないか。そんな期待を抱いていた。

けれど、実際に降り立ってみると、目の前に広がっていたのは巨大なビル群と溢れる車、そして容赦ない騒音だった。歴史を感じさせる名所は確かにある。だが、それを包み込む都市の表情は、僕が思い描いていた静かな「古都」ではなかった。

日本人が古都と聞いて思い浮かべるのは、どこか京都のような、落ち着いた歴史の気配かもしれない。しかし北京は、それとはまったく違う。巨大なエネルギーを抱えた首都であり、歴史の上に現代が何層にも重なっている都市だった。最初の印象としては、少し面食らったというのが正直なところだ。

北京の街角で見かけた風景。Photo by HASEGAWA, Koichi

それでも、北京の魅力は、そうした表面の喧騒の奥にあるのかもしれない。そんなことを思いながら、滞在二日目の夜、友人に連れられて什刹海へ向かった。

夜の散歩に向かうなら什刹海

什刹海(シーチャーハイ)は、北京の中心部にある歴史的な水辺エリアである。湖と古い街並みが残り、その周囲にはレストランやバーも並ぶ。観光客にも人気があるが、単なる観光地というより、北京の夜の空気を感じやすい場所だと思う。

地下鉄やタクシーでこの一帯へ向かい、まずは湖畔まで歩いてみる。その途中には古い民家や路地が残っていて、街灯に照らされた道を進んでいくと、ようやく北京にも自分が思っていた「古都の夜」に近い気配があることに気づかされる。

什刹海の夜は、ただ静かというわけではない。人も多いし、観光地らしい賑わいもある。それでも、湖の存在があることで、北京の他のエリアより少し呼吸が深くなる。歩きながら水面を見るだけで、気持ちが少し落ち着いていくのだ。

シェアよろしくお願いします!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です