夜の北京紀行:「什刹海(シーチャーハイ)に浮かぶ月」

北京の夜を楽しむためのおすすめ散歩コースは、什刹海(シーチャーハイ)周辺である。

什刹海(シーチャーハイ)は、北京の中心部に位置する歴史的な水辺エリアである。このエリアは、歴史的な雰囲気と現代的な賑わいが融合しており、散策するだけで北京の魅力を存分に感じることができる。

今回の行き先である什刹海(シーチャーハイ)の概要

1. 什刹海へのアクセス

まずは、地下鉄やタクシーで什刹海エリアへ向かう。周囲には古い民家が立ち並び、まるで時間が止まったかのような景色が広がっている。街灯に照らされた古い路地を歩きながら、古き良き北京の風情を感じることができる。

2. 湖畔の散策

湖に到着したら、湖畔をゆっくりと歩くことをおすすめする。夕暮れ時、湖の水面に映る夕焼けや浮かぶ月の美しさは格別である。友人と話しながら、あるいは静かに一人で思索にふけるのも良い時間である。

3. 伝統的な北京ダックを楽しむ

散策の途中で、友人や地元の人々におすすめのレストランを訪れるのも良い。什刹海近くには多くの中華レストランがあり、本場の北京ダックを楽しむことができる。夕食をとりながら、周囲の賑わいを楽しむのも良いひとときである。

4. バーやカフェでのひととき

食事を終えたら、近くのバーやカフェで一息つくことをおすすめする。シーチャーハイの周辺にはおしゃれなバーが点在しており、アートな雰囲気を感じることができる。外のテラス席で、月明かりの中で飲むビールやカクテルは特別な味わいを感じさせてくれる。

5. 夜景を楽しむ

最後に、湖の上に浮かぶ月を眺めながら、周辺を散策することが良い。水面に反射する月明かりや静かな夜の空気に包まれ、何とも言えない心地よさが広がっている。シーチャーハイの魅力を余すところなく堪能できる最高の夜のコースである。

この散歩コースを通じて、北京の歴史と現代の魅力を存分に感じることができるであろう。

初めての北京

北京(中国)

北京の街角にあった自転車のようなもの。うーん、中国を感じるなー。

ある夏の日、上海から飛び立ち、友人K氏を訪ねて初めて北京の地を踏んだ。近代化の波に乗る中国の首都だが、僕が心に描いていたのは、悠久の歴史が息づく街並み。胸を高鳴らせながら、飛行機の窓越しに広がる北京の姿を眺めていた。

しかし、地上に足を踏み入れると目の前に広がったのは、巨大なビル群、溢れる車、そして容赦ない騒音だった。歴史を感じる紫禁城の美しさは確かに存在するが、それを包み込む街は想像していたものとは違う。活気溢れるエネルギッシュな風景の中、僕が求めていた静かな「古都の風情」は影を潜め、僕の期待は音を立てて崩れていったのだ。

そう、日本人なら思うであろう京都のような「古都らしい歴史的風情」を求めて訪ねたが、そうした僕の期待は早くも砕け散った。

それでも、北京の本当の魅力は、そんな表面の喧騒を越えたところに隠されているのかもしれない。

古き街並みと現代の賑わいが交差する場所、シーチャーハイ

北京滞在2日目の夜、友人K氏が「本場の北京ダックを!」と僕を什刹海(シーチャーハイ)へ連れて行ってくれた。ここは、湖と古寺が点在する一方、現代的なバーやレストランが並ぶ、北京でも特に人気のエリアだ。欧米人にも好まれるらしく、洗練された中華レストランやおしゃれなバーが点在し、その賑わいを見ていると、確かに人気の理由がわかる。

シーチャーハイは観光客に人気のエリア

「昔ながらの民家も残ってるし、街の中心でこんなに面白い場所があるなんて。」そんなことを考えながら歩いていると、友人K氏がぼやく。「あー、観光地化されて、ビールも前より高い!」北京出身の彼ですら、街の急激な変化には少し戸惑っているようだった。

実際、料理も値段に見合わず、味は普通。僕の中の北京の印象はどんどん下がっていくようだった。

場所

ところが、食事を終えて外に出ると、湖の上に大きな月が昇っていた。

「お、古都の湖に浮かぶ月か…」

一瞬にして、詩情漂うその美しさに心を奪われ、思わず旅の情緒に浸った。

「あぁ、月と都、いいじゃないか。」その瞬間、北京も悪くないと感じた。

けれども、そんな余韻も束の間。クラクションが鳴り響く通りでタクシーを探すため、現実に引き戻される。

この一瞬の風情を楽しむのが、現代の北京の楽しみ方なのかもしれない。

オススメのマッサージガンです

風光明媚な中国の一面も味わいたいなら…

シーチャーハイの活気溢れる面白さに惹かれつつも、やはり中国ならではの風光明媚な場所も見逃せない。

北京には紫禁城をはじめ、歴史的な見所が数多くあるが、その中でも特に印象的だったのが頤和園(イーフーユアン)だ。

人工池である頤和園 イーフーユアン

頤和園は12世紀には貯水池として存在し、18世紀の乾隆帝によって現在のような壮大な規模に拡張された。その後、西太后が隠居先として巨額を投じて整備したことでも知られている。1911年の清朝崩壊後、一般公開されるようになり、今日まで多くの観光客が訪れる場所となっている。

ただ、個人的には北京よりも杭州の方が、僕が思い描いていた「古き良き中国」を感じられる場所だった。美しい湖と緑が広がる杭州は、まさに中国の自然美の象徴だ。

しかし、北京の壮大な建築群には、当時の皇帝たちの権力と威厳を強く感じることができ、それもまた興味深い体験となった。

中国に関心がある方におすすめの書籍

「中国現代アート」

中国が現代アートシーンで重要な位置を占めるようになったのは、もう随分前のことです。しかし、いくつかの有名な中国人アーティストの名前は知っていても、実際にそのアートに触れる機会はほとんどありませんでした。だからこそ、中国アートの全体像がどういうものか、僕自身も長らくよくわかっていませんでした。

それでも、近年の中国現代アートは、単なるエキゾチシズムや西洋的な視点を超えて、独自の視点で世界に発信しています。経済的な台頭や社会的な変化が背景にあることで、アーティストたちは新たな表現を模索し、時には政治や社会の問題を鋭く捉える作品が多く見られます。この視点から見ると、中国アートはもはや「遠い存在」ではなく、今やグローバルアートシーンの中心に位置していると感じることができます。

そこでこの一冊。図書館で借りて読んだんですが、ざっと現代中国アートシーンを追うことができるので、現代アートに興味がある方は是非。

中国現代アート (講談社選書メチエ)

「古代中国の24時間」

ちょっと専門的な部分もありますが、なかなか面白かったので、紹介します。昔の中国は、始皇帝に始まり、三国志時代など、歴史的に面白いですよね。古代の中国人がどんな生活をしていたかを書いた一冊。なかなかでした。

「ワイルド・スワン」(ユン・チアン著)

この本は、20世紀の中国を背景に、著者の祖母、母、そして著者自身の3世代にわたる女性たちの人生を描いたノンフィクションです。中国の歴史や文化、そして文化大革命を含む激動の時代を、家族の視点から深く知ることができます。中国で発禁処分になった衝撃作です。

ワイルド・スワン

英語版も。Sunday Timesで非常に評価された一冊。

Wild Swans: Three Daughters of China – One of the Sunday Times Top 100 Bestselling Books of the Past 50 Years (English Edition)

Photo and Writing by Hasegawa, Koichi



 

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