はじめに
今回訪れたのは、イギリス中部の街ノッティンガムに佇むウラトン・ホール。この壮麗な建物は、英国各地に点在する伝統的なカントリーハウスのひとつです。
広大な田園風景に溶け込むカントリーハウスは、イギリス文化を象徴する美しい風景のひとつ。歴史と格式を感じさせるその佇まいは、映画や小説の舞台としても頻繁に登場し、時代を超えて愛され続けています。ウラトン・ホールも例外ではなく、その魅力はスクリーンの中でも観客を魅了し、特に映画『バットマン ダークナイト・ライジング』(2012) のロケ地として知られています。
ウラトン・ホールへの行き方
ウラトンホール(Wollaton Hall)は、ノッティンガムのシティセンターから約5キロ離れた場所にあります。アクセス方法はいくつかあり、公共交通機関を利用するのが便利です。
バスでの行き方
ノッティンガム市内からウラトンホールへのバスがいくつかあります。例えば、次のバスラインが利用できます:
- 18B
- 34C
- 36
- INDIGO
- RED ARROW
これらのバスは、ウラトンホールの近くのバス停(Hillsideなど)に停車します。バスの所要時間は約20〜30分です。
トラムでの行き方
ノッティンガム大学のトラム停留所(University Of Nottingham Tram Stop)からもウラトンホールへ行けます。トラムを利用し、そこから約15分の徒歩で到着できます。
自転車や徒歩
時間に余裕があればノッティンガム市内から自転車を利用するのもおすすめです。緑豊かな環境の中を走るのはとても気持ちが良いですし、ウラトンホールの美しい敷地にアクセスするのも楽しいでしょう。歩いて行く場合は、ハイキングを楽しみながら行けるので、ぜひ自然を感じてください。
ウラトンホールは、エリザベス朝の素晴らしい建築物であり、現在は自然史博物館としても知られています。周辺には広大な公園もあり、たくさんの鹿を見ることもできるので、観光だけでなく自然も楽しめるスポットです。詳しい情報や訪問時の注意点は、ウラトンホールの公式サイトをチェックしてみてください。
バットマンの世界へ飛び込む:映画のロケ地、ウラトン・ホール
アメコミヒーローの中でも、バットマンほど長く愛され続けるキャラクターは少ないでしょう。その人気は衰えることなく、最新作の『THE BATMAN』(2022年、マット・リーヴス監督)でも再び世界中を魅了しました。新たなゴッサムの闇に挑むバットマンは、これまでにないダークでリアルな描写が印象的でした。
ところでバットマンと言えば、避けて通れないのが彼の宿敵ジョーカー。2019年に公開された映画『ジョーカー』も大きな話題を呼び、ホアキン・フェニックスが見事にその狂気と悲劇を表現しました。そして、最新映画『ジョーカー:フォリア・ドゥ』で大きな話題を集めています。この作品は、前作の衝撃的な展開を引き継ぎつつ、新たな視点からジョーカーというキャラクターに迫る作品みたいですね。
そして忘れられないのが、クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』(2008)でヒース・レジャーが演じたジョーカーです。彼の存在感は圧倒的で、ファンに強烈な印象を残しました。このノーラン監督のバットマン3部作は、アメコミ映画の金字塔として今なお語り継がれる名作です。このシリーズは、深いテーマ性とビジュアルの壮大さ、そしてキャラクターの強烈さが見事に融合しており、バットマンファンにとっては欠かせない作品群でしょう。
今回紹介する壮麗なカントリーハウスであるウラトンホールは、上述したようにノーラン監督の『ダークナイト ライジング』ロケ地としても知られ、ブルース・ウェインの豪邸としてスクリーンに登場しました。そのゴシックな雰囲気と壮大な佇まいは、観る者にバットマンの世界観をリアルに感じさせます。
ウラトン・ホールのような場所は、まさにこうしたダークで魅力的な物語が展開される舞台にぴったりです。
ウラトンホールのあるノッティンガムを目指そう
ウラトン・ホールがあるのは、イギリス中部の歴史豊かな街、ノッティンガム。この街は歴史に富み多くの魅力にあふれています。
ノッティンガムと言えば、やはり誰もが知る伝説の英雄、ロビンフッドの故郷として有名。街を歩けば、ロビンフッドゆかりのスポットに出会えます。市内から少し足を伸ばせば、ロビンフッドの物語の舞台となったシャーウッドの森が広がり、自然と伝説が交錯するロマンあふれる空間が待っています。
また、ノッティンガムの街並みは、中世の風情と現代の活気が共存し、歴史好きにもショッピング好きにも楽しめる場所です。歴史的な建造物や博物館を訪れるもよし、街中のカフェで一息つきながらイギリスのティータイム文化を満喫するのもおすすめ。ロビンフッドやバットマンのファンだけでなく、あらゆる旅行者にとって心に残る旅ができる街です。
ウラトン・ホールとカントリーハウス
ウラトン・ホールの敷地に足を踏み入れると、瞬時にイギリスのカントリーハウスの魅力に包まれます。広大な敷地内に佇むウラトン・ホールは、その優雅な姿が見る者を惹きつけます。この邸宅は、エリザベス1世(1533-1602)の治世下、1580年代に建設されたカントリーハウスの一例であり、当時の貴族の生活様式を物語っています。
イギリス各地には、歴史的なカントリーハウスが点在しており、それぞれが独自の魅力を持っています。列車の車窓から、田園風景の中にこれらの邸宅が姿を見せる様子は、まさに絵画のよう。カントリーハウスはその名の通り、農村地帯に建てられ、自然と調和した景観がイギリスならではの雰囲気を醸し出しています。
さらに、カントリーハウスは貴族文化の中心地でもありました。美しい庭園や装飾された室内は、当時の生活や社交の場として機能し、様々な芸術や文化が育まれたのです。ウラトン・ホールを訪れることで、ただの観光地ではなく、イギリスの歴史と貴族の生活を感じる特別な体験ができることでしょう。
ウラトン・ホールへの行き方
カントリーハウスを舞台にした小説『日の名残り』
カントリーハウスを舞台にした小説の一つに、ノーベル賞を受賞したカズオ・イシグロ作で『日の名残り』(1989年) があります。
貴族に仕える執事の話で、その内容と美しい文章が素晴らしいこの小説は、ブッカー賞というイギリスの権威ある賞を受賞しました。
英国の邸宅を舞台にしたこの美しい小説を読むと、イギリス旅行がより一層楽しめるはずです。
おすすめのグルメ
Miller & Carter Wollatonーステーキハウス
ウラトンホールから程近い所にあるオススメのお店。
以前はカーベリーを提供するパブだったが、現在はステーキハウス。
ゆったりした雰囲気の中で英国料理を堪能できます。肉の美味しさで評判の店なんです。
https://www.millerandcarter.co.uk/restaurants/east-and-west-midlands/millerandcarterwollaton
ところで、カーベリーというのは、肉料理を切り分けて提供してくれる形態の食事で、イギリスに行かれた際には是非試していただきたいです。
食事は主に定額制で、ビュッフェ形式。
欲しい野菜などをお皿に取り、食べたい肉を切ってもらいます。
食事としては、ポテトや様々な伝統的なイギリス野菜、豆、それにビーフ、ハモン、ポーク、ターキーなどの肉料理。
また、伝統のヨークシャープディングも美味しいです。
これらにグレービーソースをかけて食べます。中にはベリーソースなんかも。グレービーと使い分けても面白いですよ。
伝統的なカントリーハウスを見てから、英国の伝統料理や肉料理もいいですよね。ノッティンガムでの最高の夜になること間違いないです。
地図
Photo and Writing by Hasegawa, Koichi and Shino
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