シャルル・ド・ゴール空港写真紀行|パリの空の玄関と第1ターミナルの記憶

エールフランスでパリへ

第2ターミナルの明るさ

シャルル・ド・ゴール空港で利用する機会が多いのが、第2ターミナルである。

エールフランスをはじめ、多くの国際線やヨーロッパ内の路線が発着する大きなターミナルだ。

第2ターミナルは、ひとつの建物というより、いくつものエリアが連なった巨大な空港空間である。ターミナルによって雰囲気が少しずつ違うのも面白い。

ガラスを多く使った明るい空間もあれば、コンクリートの質感が残る出発ロビーもある。

天井や照明、床の反射、通路の長さ。

空港を歩いていると、建築を見ているようでもあり、都市の中を歩いているようでもある。

巨大空港には、ひとつの街のような感覚がある。

人が行き交い、店が並び、食事をする場所があり、待つ場所があり、案内表示が道しるべになる。

旅人はそこを通過するだけだが、その通過の時間にも、それぞれの物語がある。

シャルル・ド・ゴール空港第2ターミナルの出発ロビー
第2ターミナルの出発ロビー。Photo by HASEGAWA, Koichi

空港で食べるパンの記憶

空港で過ごす時間には、食べ物の記憶も残る。

第2ターミナルには、パン屋やカフェもあり、出発前に軽く食事をすることができる。

パリの街中で食べるパンとは違うかもしれない。

けれど、空港で食べるパンには、また別の味わいがある。

出発前の少し慌ただしい時間。荷物を気にしながら、搭乗時刻を確認しながら、コーヒーとパンでひと息つく。

そういう時間は、旅の最後に近い。

街で過ごした時間を思い出しながら、少しずつ日常へ戻っていく準備をする。空港のカフェは、その切り替えの場所でもある。

シャルル・ド・ゴール空港第2ターミナルのPaulのパン
空港のPaulで美味しいパンを。Photo by HASEGAWA, Koichi

出発ロビーに流れる旅の時間

空港の出発ロビーには、独特の風景がある。

スーツケースの重さを測る人。荷物を開けて中身を入れ替える人。家族で搭乗手続きをする人。ひとりで静かにスマートフォンを見ている人。

どの人にも、それぞれの旅がある。

パリを旅して帰る人もいれば、これから別の国へ向かう人もいる。仕事の人も、留学の人も、誰かに会いに行く人もいる。

空港は、そうした物語が一瞬だけ交差する場所だ。

シャルル・ド・ゴール空港の出発ロビーを歩いていると、旅が終わる寂しさと、次の移動への高揚感が同時にある。

この感覚が、僕は嫌いではない。

空港は、別れの場所であり、出発の場所であり、また戻ってくる場所でもある。

シャルル・ド・ゴール空港第2ターミナルで買い物を楽しむ
ターミナルでゆっくり買い物も。Photo by HASEGAWA, Koichi

空港に泊まるという楽しみ

早朝便や深夜便を使うときには、空港周辺に泊まるという選択肢もある。

パリ市内から空港へのアクセスは悪くないが、出発時間によっては、前日に空港近くへ移動しておくと気持ちが楽になる。

空港ホテルに泊まると、旅の終わり方が少し変わる。

パリの街を早めに離れ、空港でゆっくり過ごす。飛行機を眺めながら、翌日の出発に備える。空港好きにとっては、それもひとつの旅の楽しみである。

空港は、ただ通り過ぎる場所と思われがちだ。

けれど、少し時間を取って歩いてみると、建築、光、人の流れ、旅の気配が見えてくる。

シャルル・ド・ゴール空港の記憶

シャルル・ド・ゴール空港には、華やかなパリそのものとは少し違う魅力がある。

そこには、到着の高揚感があり、出発前の静けさがあり、乗り継ぎの緊張があり、旅人たちの物語がある。

第1ターミナルの懐かしい未来感。

第2ターミナルの明るい出発ロビー。

空港で食べるパン。

窓の向こうに見える飛行機。

そして、パリへ向かう前の、あの少し胸が高鳴る時間。

空港は、旅の脇役のようでいて、実はとても大切な場所なのだと思う。

シャルル・ド・ゴール空港を通るたびに、僕はまたフランスへ来たのだと感じる。

そして帰るときには、またここから次の旅が始まるのだと感じる。

空港の記憶は、旅の記憶そのものでもある。

筆者について

長谷川浩一|美術史家・講師・執筆

旅先で出会った街角の光、夜の気配、建築や風景に残る時間の層を、
写真と言葉で記録しています。
東京では西洋美術史講座 Edogawa Art Salon, Tokyo を開き、
noteでも美術や旅にまつわる文章を書いています。

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