カタルーニャの聖地としてのモンセラット
モンセラットは、自然景観の名所であると同時に、カタルーニャの重要な聖地でもある。
山の中腹には、サンタ・マリア・デ・モンセラット修道院がある。
ここには、カタルーニャの守護聖母として信仰されてきた黒い聖母子像が安置されている。
「ラ・モレネータ」とも呼ばれるこの聖母子像は、現在も多くの巡礼者や旅行者を惹きつけている。
モンセラットを歩いていると、ここがただの山ではなく、自然と信仰が結びついた場所であることがわかる。
岩山の異様なかたち。
修道院へ向かう道。
聖堂の内部に漂う祈りの空気。
そのすべてが、カタルーニャの精神的な風景を形づくっている。

聖堂の中には、信仰の場ならではの緊張感がある。
観光で訪れている人もいる。
しかし同時に、祈りのために訪れている人もいる。
美術や建築を見に行く旅であっても、こうした場所では、作品や建物だけを切り離して見ることはできない。
信仰、土地、歴史、人々の記憶が、そこに重なっているからである。

モンセラットからサグラダ・ファミリアを見る
モンセラットの岩山を見てからサグラダ・ファミリアを見ると、印象が少し変わる。
サグラダ・ファミリアの塔は、ただ高く伸びているだけではない。
それぞれの塔が独立しながら、全体として群れをなすように立ち上がっている。
その姿は、モンセラットの岩峰群とどこか響き合っている。
もちろん、サグラダ・ファミリアの造形を、単純に「モンセラットを真似たもの」と言うことはできない。
ガウディの建築は、構造計算、カトリック神学、自然観察、幾何学、職人技、カタルーニャの宗教文化が複雑に結びついたものだからだ。
それでも、モンセラットの岩山を見たあとにサグラダ・ファミリアを見上げると、ガウディが自然から何を学ぼうとしていたのか、少しだけ身体で理解できる気がする。

ガウディは、自然を観察することを非常に重視した建築家だった。
植物、骨、貝殻、山、光、重力。
彼の建築には、自然の形態や構造から学んだ痕跡がある。
モンセラットの岩山は、その意味で、ガウディ的な想像力を考えるための格好の場所である。
自然のかたちが、宗教建築のかたちへと変換されていく。
その過程を想像することができるからだ。







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