フランスを旅してると、音楽が生活に身近だと感じる場面によく遭遇する。
パリのメトロの中でよく見るアコーディオン奏者。
寒いクリスマスシーズンでも、街角で演奏を始める音楽家たち。
街のあちらこちらで、コンサートのポスターを見かけたり。
フランスは音楽で溢れている。
そのフランスで特に音楽を身近に感じるのは、音楽の日と呼ばれる市民による音楽祭の日だ。
一年で日が一番長い夏至の日、朝から夜までフランスは音楽で包まれる。
住宅街の角で、カフェの前で、公園や道端で、まるで街中が音楽で息をしているかのように、あらゆるジャンルの音楽が、奏でられる。ジャズにロック、クラシックやコーラスなどなど。夏の夜が楽しくなる。
この日はプロフェッショナルかアマチュアかなんて関係ない。道行くおじさんも、演奏中のバンドに突如ダンスで参加する。
その日、僕は美術巡りをしながら、モンマルトルを歩いていた。モンマルトルはアートファンとしては沢山の見所がある。歩いていると、ふと、沢山の音があちらこちらから聞こえてくることに気がつく。
ーあぁそうか、今日は音楽の日か。
突然、街角で演奏をしている楽団に、ある女性がメインボーカルで参加する。即席楽団の誕生だ。
観ていた親子連れも、新しく誕生した楽団の奏でる音色に耳を傾けている。
「本当に音楽には人と人を繋ぐ力があるんだ」そう感じた瞬間だった。
新型コロナウイルスで日常に戻るまで時間は要するであろうが、また音楽やダンスが溢れる日が一刻も早く戻ることを願うばかりだ。
Photo and Writing by HASEGAWA, Koichi
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