はじめに
今回ご紹介する旅先は、音楽の都オーストリアの首都ウィーン。
優雅なメロディーが流れるこの街は、歴史ある建築や美食に彩られ、訪れる者を魅了してやみません。その中でも特筆すべきは、ウィーンのカフェ文化。19世紀に花開いたこの文化は、今でも市民や観光客を魅了し続け、街の至る所に美しいカフェが軒を連ねています。
数々の有名なカフェがある中で、特にアートファンにおすすめしたいのが「カフェ・ムゼウム」。芸術家たちが集ったこの場所は、クリエイティブな空気が漂う特別な空間です。そしてもう一つは、美術史美術館内にある「世界一美しい」と讃えられるカフェ。ここで味わう一杯のコーヒーは、芸術作品と共鳴するような特別な時間を提供してくれるでしょう。
このカフェ巡りが、あなたのウィーン旅行計画に少しでも彩りを加えられたら嬉しいです。
クリムトが通ったカフェ・ムゼウム
ウィーンのカフェ文化
19世紀以降、ウィーンのカフェ文化はヨーロッパ全体を象徴する存在となりました。街中を歩けば、歴史を感じさせるエレガントなカフェがあちこちに姿を現します。数々の有名カフェが点在し、その一つひとつが独自の魅力を放っています。ウィーンのカフェは、ただコーヒーを楽しむ場所ではなく、芸術家や知識人が集い、アイデアを交わし、時には未来を切り開くための議論の場ともなってきたのです。まさに文化と歴史の交差点といえるでしょう。
ウィーンには歴史的なカフェが数多くあり、19世紀末から20世紀初頭にかけての「ウィーン分離派」(Wiener Secession)の時代に、こうした場所が知識人や芸術家たちの集うサロンのような役割を果たしていました。クリムトもこのウィーン分離派を代表する画家の一人であり、当時のウィーンのカフェ文化と密接な関係を持っていました。
美術が好きな方は、クリムトがよく通ったカフェ・ムゼウムに行きたいですね。
※カフェ・ムゼウム:日本語紹介
カフェ・ムゼウム
カフェ・ムゼウム(Café Museum):1899年に開業し、モダニズム建築家アドルフ・ロースがインテリアを手掛けたことで知られるこのカフェは、クリムトをはじめとするウィーン分離派のアーティストたちが集った場所の一つです。クリムトだけでなく、詩人や音楽家、建築家たちもここで議論を交わし、芸術的なアイデアを育てました。
ウィーン美術史美術館内にあるカフェ
ウィーン美術史美術館
ウィーン美術史美術館は、ヨーロッパを代表する美術館のひとつであり、世界的な巨匠たちの名作が一堂に会する場所です。ブリューゲル、フェルメール、カラヴァッジオ、クラーナハ、ベラスケスといったアート史に名を刻む偉大な画家たちの代表作が、まるで時を超えた対話を繰り広げているかのように並んでいます。
19世紀末に完成した美術館の建物は、ネオ・ルネサンス様式の華麗な建築美で、訪れる者を魅了します。展示室にたどり着く前から、その壮麗な造りに圧倒され、館内を進むたびに息を呑むような空間美に包まれます。館内の壁画の中には、ウィーンを代表する画家、グスタフ・クリムトが描いた作品も含まれており、美術館全体がまるで一つの巨大なアート作品のように感じられるでしょう。
ウィーン美術史美術館は、アートファンにとって必見の場所であり、その豊かなコレクションと建築美が、訪れるたびに新たな発見をもたらしてくれます。
優雅な美術館内のカフェ
この美しいウィーン美術史美術館の中に佇むカフェは、その優雅さから「世界一美しい」と称されるのも納得です。壮麗な建築とアートの中に身を置きながら、食事を楽しむ時間は、まるで別世界に迷い込んだかのような特別な体験です。
ここでは、朝には豊かな朝食を、昼には洗練されたランチを味わうことができ、そして毎週木曜日には、ディナーも楽しむことができます。夜には美術館の静かな雰囲気の中、歴史に包まれた空間で優雅なひと時を過ごすことができるでしょう。
詳細はwebsiteから。
https://www.genussimmuseum.at/en/
昼間はランチかカフェになりますが、この美術館はじっくり時間をかけて見る必要があるため、一息つきたい時にもピッタリなんです。
美術とカフェの至福のひととき
一流の美術品に囲まれ、時を忘れるほどの美しい空間で味わう、美味しいコーヒーとケーキ。これ以上の贅沢があるでしょうか?ウィーン美術史美術館での芸術鑑賞の後、極上のコーヒータイムを楽しむことができる「世界一美しいカフェ」は、最高の芸術体験に華を添えてくれます。アートと美食が織りなすこの贅沢なひとときを、ぜひ堪能してみてください。
美術史美術館
Photo and Writing by Hasegawa, Koichi and Shino
参考文献
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